前回の記事「バリューチェーンと業務分析」では、バリューチェーンを構成する各活動領域ごとに次のような観点で業務を分析すると説明しました。
この中の活動の分析に、ビジネスプロセスという言葉があります。
今回は、このビジネスプロセスとは何か説明します。
ビジネスプロセスとは何か。
ここでは、
それを構成する活動が資産を消費することで、ステークホルダーに価値を生み出し、結果的に資産の状態を変化(増減)させる組織横断的な単位
と定義します。
※ステークホルダー(ビジネスの利害関係者)には、顧客だけでなく社員や株主、パートナーなどがあります。
ビジネスプロセスは活動から構成されるので、ビジネスプロセスの単位で業務フローを作成します。
業務フローには、ビジネスプロセスの本質的な流れを示す「アクティビティフロー」と、それを構成するアクティビティをさらに詳細化した「アクションフロー」があります。
アクティビティフローを構成する「アクティビティ」は、「受注」、「出荷」など、ビジネスプロセスを構成する本質的な活動を表し、アクションフローを構成する「アクション」は、「〜の記録」、「〜の報告」、「〜の承認」、「〜の確認」など、これ以上分けることができない動作の単位になります。
企業全体のビジネスプロセスを明確にしたい場合は、バリューチェーンを構成する各活動領域ごとに、どのようなビジネスプロセスがあるか定義します。
前回の記事「バリューチェーンと業務分析」で説明したように、バリューチェーンは、事業ごとの主要活動と、事業、あるいは、企業全体で共通の支援活動に分けることができます。
なので、次のように、主要活動のビジネスプロセスは、支援活動のビジネスプロセスを共有するかたちになります。
さて、ビジネスプロセスを定義するときに重要なのは、価値を提供するステークホルダーを明確にするということです。
価値を提供する相手を考えることで、
- 本当に価値を生み出す活動は何か
- 価値を生み出していない活動は何か
- 価値を生み出す活動をもっと効果的に行うにはどうすべきか
- 価値を生み出していない活動はどうするか、削除、あるいは、削減するか、フローを変えるか、代替する手段はないか
など業務フローを構成する各活動を分析し、業務を改善することができるようになります。