戦略マップの学習と成長の視点の情報資本のうちデータの情報資本目標がデータ戦略になります。
次の図は、データ戦略を設計するプロセスを示しています。
これは、データマネジメントモデルの設計プロセスを詳細に表したものです。
この図でいうと、データマネジメントの目的がデータ戦略になります。
一つひとつ見ていきましょう。
ビジネス要件の定義
まず、戦略マップの内部プロセスの視点の戦略目標と、ERM(エンタープライズリスクマネジメント)の目的である各種報告(内部統制など)や各種法規(コンプライアンス)を考慮して、ビジネス要件を次の観点で定義します。
- 各種戦略目標の実現(有効性)
- 各種報告の信頼性確保(信頼性:内部統制)
- 各種法規の遵守(安全性:コンプライアンス)
例えば、次のような戦略マップを考えてみましょう。
この場合、戦略マップの内部プロセスの視点の戦略目標を考慮して次のようなビジネス要件を定義することができます。
- 次の戦略目標を実現すること
- 高性能製品の迅速かつ継続的創出
- 製品性能の効果的プロモーション
- 製品品質の維持・向上
- 保守サービス品質の維持・向上
- 製品/部品の安定供給
- 製品/部品の適正在庫
- 次の報告の信頼性を確保すること
財務報告- 次の法規を遵守すること
- 個人情報保護法
- 金融商品取引法
各種報告や各種法規には、業界として遂行すべき報告や、守るべき法規を設定します。
データマネジメントの目的の設定
次に、ビジネス要件を満たすために、それに関連するデータの品質とセキュリティを確保するという観点でデータマネジメントの目的を設定します。
上記例の場合、次のようなデータマネジメントの目的を設定することができます。
データマネジメントの目的は、次のビジネス要件を満たすために、それに関連するデータの品質、セキュリティ、経済性を確保することです。
ビジネス要件
- 次の戦略目標を実現すること
- 高性能製品の迅速かつ継続的創出
- 製品性能の効果的プロモーション
- 製品品質の維持・向上
- 保守サービス品質の維持・向上
- 製品/部品の安定供給
- 製品/部品の適正在庫
- 次の報告の信頼性を確保すること
財務報告- 次の法規を遵守すること
- 個人情報保護法
- 金融商品取引法
データアーキテクチャ(概念レベル)の設計
次に、データアーキテクチャ(概念レベル)を設計することで、ビジネス要件をに関連するデータを特定します。
ビジネス要件をに関連するデータのうち、戦略目標を実現するために必要なデータは次のようなデータになります。
- トランザクションデータ
バリューチェーンを構成する活動の事実を記録し、ビジネスの状況を確認したり改善するために必要なデータ。 - 分析データ
ビジネスの進行状況を追跡し、必要に応じて戦略やアクションを調整するために必要なデータ。
データアーキテクチャ(概念レベル)には、
マスターデータのデータアーキテクチャ
トランザクションデータのデータアーキテクチャ
分析データのデータアーキテクチャ
がありますが、
トランザクションデータのデータアーキテクチャは、戦略マップの内部プロセスの視点のビジネスプロセスの業務フローから導くことができます。
また、分析データのデータアーキテクチャは、BSCのKPIから導くことができます。
ビジネスメタデータの定義
データアーキテクチャ(概念レベル)が設計できたら、それを構成するデータの経済価値、ビジネス上のデータ要件、データ品質要件、データセキュリティ要件を抽出して、ビジネスメタデータとして定義します。
データ管理基盤(方針レベル)の設計
ビジネスメタデータとして定義されたビジネス上のデータ要件、データ品質要件、データセキュリティ要件は、データ管理基盤の方針を設計するときの設計思想になります。
例えば、受注が登録されたタイミングで、受注明細の製品に対する在庫の引当が行われ、引当に対する受注明細がトレースできるようにしなければならないというビジネス上のデータ要件があったとします。
そうすると、次のように、「受注の登録」トランザクションの一環として、在庫の引当のために、在庫システムに受注明細データを渡す必要があるのでリアルタイムで統合するというデータ統合方針にする必要があります。
データマネジメント組織とデータマネジメントプロセスの設計
最後に、データマネジメントの論理的基盤であるデータアーキテクチャと、物理的基盤であるデータ管理基盤を通して、データマネジメントの目的を実現するデータマネジメント組織とデータマネジメントプロセスを設計します。
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