ここでは、バリューチェーンについて、次の観点で説明します。
バリューチェーンとは
バリューチェーンとは、M・E・ポーターが競争の戦略という本で提唱した概念で、
事業活動を活動領域ごとに分類し、どの部分で付加価値が生み出されているか、競合と比較してどの部分に強み・弱みがあるかを分析し、事業戦略の有効性や改善の方向を探る手法
のことです。
バリューチェーンは、顧客に価値を提供する主要活動と、それを支援する支援活動から構成されます。
会社の活動領域をバリューチェーンに分解すると次のようになります。
- 主要活動
主要活動は、顧客に直接価値を提供する活動で、- 事業固有の営業活動
- 事業固有の製品管理活動、顧客管理活動、設備管理活動
になります。
- 支援活動
支援活動は、全事業に共通した活動になります。- 事業支援活動
主要活動を支援する活動で、以下のように分類することができます。- 営業支援活動
全事業の営業活動を支援する活動で、全事業共通の資材の調達、債権・債務管理、入出荷管理が該当します。 - 共通資産管理活動
例えば、社員管理など、上記資産管理活動の中で、全事業共通の資産の価値を管理する活動です。
- 営業支援活動
- 企業支援活動
主要活動、事業支援活動を支援する活動で、財務活動、経営活動が該当しす。
- 事業支援活動
これは、不動産会社を事業ドメイン固有の活動領域と、事業ドメイン共有の活動領域に分けた例です。
例えば、戸建て住宅開発販売事業には、販売、顧客管理、事業管理、用地管理、建物管理という主要活動があります。
また、事業共通の事業支援活動には、支払、請求、社員管理、パートナー管理、情報管理があり、企業共通の企業支援活動には、財務管理、経営管理があります。
事業戦略とバリューチェーン
次の図は、戦略マップを簡略化したものです。
これは、学習と成長の視点の人、情報、組織という無形資産が、内部プロセスの視点の、価値を生み出す活動、バリューチェーンをを実行することで、顧客価値を提供し、収益を上げるとともに、生産性を高め、最終的に企業価値を創出する、その企業価値を、人、情報、組織という無形資産に投資、フィードバックすることで、それらが学習、成長し、ますます価値を生み出すという価値創出の因果関係を表しています。
ここで、内部プロセスの視点と財務の視点の関係を考えた場合、価値を届ける活動(Operation)の効率化が「生産性の向上」に繋がり、価値を創る活動(Creation)や価値を伝える活動(Communication)が製品価値を上げるとともに顧客価値を満たし「収益の増大」に繋がると考えることができます。
バリューチェーンの主要な3つの活動
上記、戦略マップでは、バリューチェーンの主要活動を、価値を創る活動(Creation)、価値を伝える活動(Communication)、価値を届ける活動(Operation)に分けています。
ここでは、この3つの活動について具体的に説明します。
価値を創る活動(Creation)
価値を創る活動(Creation)は、顧客価値を定義し、製品価値を創出する活動で、活動領域でいうと製品管理活動になります。
例えば、研究開発(R&D)、製品(物財、役務)企画・開発が該当します。
価値を伝える活動(Communication)
価値を伝える活動(Communication)は、顧客価値に対する製品価値を効果的、かつ、効率的に伝える活動で、活動領域でいうと顧客管理活動になります。
価値を伝える活動は、上流のマーケティングと下流の顧客関係管理に分けることができます。
マーケティング
マーケティングは、顧客管理活動でいうと新規顧客を獲得する部分で、フィリップ・コトラーの手法でいうと、ターゲット市場を決め、プロダクト(製品)、プライス(価格)、プレース(流通)、プロモーション(販売促進)の組み合わせを考えて市場を創造する活動です。
例えば、プロモーションの方法には次のような種類があります。
- ペイドメディア(Paid Media)
お金を払って利用するメディア。
例
テレビCM、新聞広告、雑誌広告、オンライン広告(Google広告、Facebook広告、バナー広告など)。
特徴
即効性がある。
広くリーチできる。
ただし費用がかかり、持続的効果は限定的。 - アーンドメディア(Earned Media)
広告費を払わず、第三者によって自発的に取り上げられるメディア。
例
新聞やテレビの報道記事、口コミ、SNSでのシェアやレビュー、ブログ記事。
特徴
信頼性が高い(第三者による評価のため)。
コントロールが難しい。
良い評判も悪い評判も拡散される可能性がある。 - シェアドメディア(Shared Media)
消費者やユーザーとの共同で作られるメディア。SNS上での拡散やコミュニケーション。
例
Twitter/X、Facebook、Instagram、YouTube、TikTokなどのソーシャルメディア。
特徴
双方向のコミュニケーションが可能。
拡散力が強い。
炎上やネガティブ拡散のリスクもある。 - オウンドメディア(Owned Media)
自社が保有・管理するメディア。
例
企業公式サイト、ブログ、メールマガジン、パンフレット、アプリ。
特徴
自社のコントロール下で情報発信できる。
中長期的に資産となる。
認知拡大には時間がかかる。
この4つを総称してPESO(ペソ)といいます。
各メディアはそれぞれ強みと弱みを持つため、組み合わせて活用することが重要です。
PESOを組み合わせることで、相互に補完し、持続的で効果的なマーケティングが可能になります。
次のような組み合わせを考えることができます。
- Paid → Owned
広告で自社サイトへ誘導する。 - Owned → Shared
自社ブログ記事をSNSでシェアして拡散させる。 - Shared → Earned
ユーザーの反応がメディア報道につながる。
顧客関係管理
一方、顧客関係管理(CRM:Customer Relationship Management)は、既存顧客に対して価値を継続的に伝え、関係を深める活動で、顧客管理活動でいうと顧客の活性化、顧客の維持、処分の部分になります。
主にSaaSやサブスクリプション型ビジネスでは、「顧客が製品・サービスを使って成功すること」を支援し、解約防止や継続利用につなげるカスタマーサクセスという顧客関係管理の考え方があります。
カスターマーサクセスのライフサイクル
カスターマーサクセスのライフサイクルは次のようになります。
-
Onboarding(オンボーディング:導入・立ち上げ)
-
目的
始めやすさ(初期成功体験)
顧客が製品・サービスをスムーズに使い始め、最初の「価値」を実感できるようにする。 -
具体的活動
初期設定、データ移行、利用環境構築サポート
トレーニング・マニュアル提供
「初めての成功体験」(Quick Win) を設計
導入目的・成功指標の明確化(サクセスプランの合意) -
成功指標
立ち上げ期間(Time to First Value)
初期利用率(ログイン率、主要機能利用率)
サポート問い合わせ数の減少
-
目的
-
Adoption(アダプション:定着・活用)
-
目的
使い続ける(習慣化・定着)
顧客が日常業務の中で継続的に製品を利用し、習慣化・業務フローに組み込む。 -
具体的活動
定期的な利用状況のモニタリング
利用データに基づく活用提案(未利用機能の紹介など)
FAQやナレッジベースの提供
ユーザー教育(ウェビナー、ユーザー会) -
成果指標
アクティブユーザー率(DAU/MAU)
「月に使っている人のうち、どれだけが日常的に使っているか」を表す。-
DAU (Daily Active Users)
1日にアクティブに利用したユーザー数
→ 例:今日ログインして操作をしたユニークユーザー数 -
MAU (Monthly Active Users)
1か月間にアクティブに利用したユーザー数
→ 例:今月1度でも使ったユニークユーザー数
機能利用率(コア機能がどれだけ使われているか)
「機能利用率(コア機能利用率)」 は、SaaSやアプリにおいて 顧客が価値の中心となる機能をどれだけ活用しているか を測る指標です。利用定着度や成功度合いを判断する重要なKPIです。-
定義
機能利用率 = ある期間において「対象機能を利用したユーザー数」 ÷ 「その機能を利用可能なユーザー数」
「コア機能」とは、サービスが提供する価値の中心にある機能を指す。
例:
Zoom → ミーティング開催機能
Slack → メッセージ送受信機能
Salesforce → 商談管理・案件登録機能
Google Drive → ファイルアップロード/共有機能 -
具体例(計算方法)
例1:SaaS型CRMの「商談登録機能」
対象顧客:100社(ユーザー数 1,000人)
直近1か月で「商談登録機能」を利用したユーザー:600人
機能利用率 = 600 ÷ 1,000 = 60%
例2:チャットツールの「メッセージ送信機能」
全ユーザー:5,000人
1週間で1回以上メッセージ送信したユーザー:4,000人
機能利用率 = 4,000 ÷ 5,000 = 80%
例3:BIツールの「レポート閲覧機能」
契約ユーザー数:500人
先月レポートを開いたユーザー:250人
機能利用率 = 250 ÷ 500 = 50% -
活用の仕方
Adoptionフェーズ(定着)
→ 「コア機能利用率」が低いと、導入効果を実感できず解約リスクが高まる。
Retentionフェーズ(継続利用)
→ 利用率を追跡し、落ち込みがあればSuccess Managerが対策(トレーニング、提案)。
Expansionフェーズ(拡大)
→ コア機能の利用が進んでいる顧客には、追加機能や上位プランを提案しやすい。 -
コア機能利用率を高める施策例
オンボーディング時に「Quick Win」としてコア機能を必ず体験してもらう
利用状況をダッシュボードで可視化(顧客にも見せる)
利用が少ないユーザーに自動ナッジ(メールやアプリ内通知)
利用事例紹介、ユーザーコミュニティの活性化
ユーザー満足度(CSAT, NPS初期値)
-
CSAT(Customer Satisfaction Score)
-
意味
「顧客満足度スコア」
ある特定の体験や利用に対して、顧客がどの程度満足したかを直接聞いて数値化する指標。 -
質問例
「今回のサポート対応に満足しましたか?」
「この機能の使い勝手はいかがでしたか?」 -
回答方式
5段階や7段階のリッカート尺度(例:とても不満〜とても満足)
CSAT (%) = 「満足」や「とても満足」と答えたユーザー数 ÷ 回答総数 × 100 -
特徴
特定のイベントや体験ごとの満足度を測るのに適している
サポート品質、機能リリースの評価など
-
意味
-
NPS(Net Promoter Score)
-
意味
「顧客推奨度スコア」
顧客がそのサービスを他人にどれくらい勧めたいかを測る指標。
ロイヤルティや長期継続意向を測るのに強い。 -
質問例
「あなたはこのサービスを友人や同僚に勧める可能性はどのくらいありますか?」
回答は 0(全く勧めない)〜10(強く勧めたい) の11段階評価。 -
スコア算出方法
回答者を3グループに分類
9〜10点:推奨者(Promoters)
7〜8点:中立者(Passives)
0〜6点:批判者(Detractors)
NPS = 推奨者の割合(%) − 批判者の割合(%) -
特徴
企業やサービス全体の「ブランド好感度」「ロイヤルティ」を測れる
解約率との相関が高い
-
意味
-
DAU (Daily Active Users)
-
目的
-
Retention(リテンション:継続利用・解約防止)
-
目的
やめない(解約防止)
顧客がサービスを「やめずに使い続ける」状態を作る。解約リスクを低減する。 -
具体的活動
ヘルススコア管理(利用率低下、サポート頻度、請求未払いなどでアラート)
定期レビュー(ビジネスレビュー、サクセスレビュー)
問題解決の迅速化(サポート/エスカレーション対応)
継続利用に向けた成果可視化(ROIレポート) -
成果指標
-
解約率(Churn Rate)
-
定義
一定期間において解約した顧客の割合。 -
計算式
ロゴチャーンの場合
一定期間における「解約顧客数の割合」。
期初の顧客数:100社
その月に解約:5社
Churn Rate = 5 ÷ 100 × 100 = 5%
収益チャーンの場合
解約によって失われたMRR/期初MRR
MRR = Monthly Recurring Revenue(毎月の経常収益)
サブスクリプション契約から、毎月安定的に入ってくる収益を標準化したもの。
「一度限りの売上」や「変動の大きいプロフェッショナルサービス収益」は含まず、継続課金部分に限定する。
顧客A:$100/月
顧客B:$500/月
顧客C:$200/月
合計 MRR = $800
期初MRR = $100,000
その月に解約で $5,000 のMRRが消失
解約率(Churn Rate)=5% -
特徴
失った分を測る(ネガティブ指標)
-
定義
-
継続率(Gross Revenue Retention, GRR)
-
定義
アップセル・クロスセルを含まず、「既存契約がどれだけ維持できたか」を測る指標。
(既存顧客の契約額が、どれだけ翌月・翌期に残っているか) -
計算式
期初MRR = $100,000
解約・縮小で $10,000 減少
GRR = (100,000 − 10,000) ÷ 100,000 = 90% -
特徴
既存顧客がどれだけ維持できたか(守りの指標)
-
定義
-
契約更新率(Renewal Rate)
-
定義
契約更新タイミングを迎えた顧客のうち、契約を更新した割合。 -
計算式
今月契約更新の顧客:20社
更新した顧客:18社
Renewal Rate = 18 ÷ 20 = 90% -
特徴
契約更新タイミングにおける顧客維持率(局所指標)
-
定義
-
解約率(Churn Rate)
-
目的
-
Expansion(エクスパンション:拡大利用)
-
目的
もっと使う(拡大・売上成長)
既存顧客の利用範囲や契約規模を拡大し、売上を増やす。 -
具体的活動
アップセル(上位プランへの移行提案)
クロスセル(関連サービスや追加機能の提案)
新部署・新拠点への導入拡大支援
成果事例の紹介(同業他社のベストプラクティス) -
成果指標
-
アップセル・クロスセル率
アップセル率
アップセルとは、既存顧客に 上位プランやより高価格なサービス を契約してもらうこと。
Basicプラン → Proプランへの移行。
期初MRR = $100,000
上位プラン移行で $8,000 増加
アップセル率=8%
クロスセル率
クロスセルとは、既存顧客に 関連する別製品や追加サービス を契約してもらうこと。
CRMを利用中の顧客に、マーケティング自動化ツールを追加販売。
期初MRR = $50,000
関連サービス追加で $5,000 増加
クロスセル率=10% -
1顧客あたりの売上(ARPU, ARPA)
-
ARPU(Average Revenue Per User)
定義
1ユーザーあたりの平均収益。
主に B2C型(個人向けサービス) でよく使われる。
計算式
月間売上 = $100,000
利用ユーザー数 = 10,000人
ARPU = 100,000 ÷ 10,000 = $10/ユーザー -
ARPA(Average Revenue Per Account)
定義
1アカウント(1契約・1顧客企業)あたりの平均収益。
主に B2B型(法人向けSaaS) で使われる。
計算式
月間売上 = $100,000
契約アカウント数(法人顧客数) = 100社
ARPA = 100,000 ÷ 100 = $1,000/アカウント
-
ARPU(Average Revenue Per User)
-
Net Revenue Retention (NRR) の向上
Net Revenue Retention (NRR:ネット収益継続率)
SaaSやサブスクリプション型ビジネスにおいて最重要のKPIのひとつです。
定義
既存顧客だけに注目して、「どれだけ収益を維持・成長させたか」を示す指標。
解約(Churn)、ダウングレード(Contraction)、アップセル(Upsell)、クロスセル(Cross-sell)すべてを含めて計算する。
計算式
期初MRR = $100,000
解約MRR = $5,000
ダウングレードMRR = $3,000
アップセルMRR = $10,000
クロスセルMRR = $5,000
NRR=($100,000ー$5,000ー$3,000+$10,000+$5,000)/$100,000=107%
-
アップセル・クロスセル率
-
目的
-
Advocacy(アドボカシー:推奨・紹介)
-
目的
広める(推薦・紹介)
顧客が「ファン」や「推薦者」となり、新規顧客獲得に貢献する状態を作る。 -
具体的活動
顧客事例・成功事例の公開(ケーススタディ、インタビュー)
顧客イベントやユーザーコミュニティの運営
リファラルプログラム(紹介制度)
NPSプロモーター層の活用(口コミ、SNS投稿、レビューサイト) -
成果指標
NPS (Net Promoter Score)
顧客紹介数・リファラル件数
公開事例・スピーカー登壇数
-
目的
カスタマーサクセスとLTVの関係
次にカスタマーサクセスとLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の関係について説明します。
-
定義
LTVは、1人の顧客(または1アカウント)が取引を開始してから終了するまでに、企業にもたらす総利益(または総収益)になります。
LTVは 短期KPIではなく長期的な成果指標です。
サクセスプランの「最終的なゴール」として位置づけるとよいです。
LTVが高い顧客セグメントは「成功している証拠」。
→ サクセス施策のROIを測る材料になる。
利用・価値実現 → 満足 → 継続・拡大 → LTV最大化 という流れになります。 -
計算式
LTV = ARPA×粗利率×平均契約期間
例
ARPA(1アカウントあたり月額売上)= $1,000
粗利率 = 80%
平均契約期間 = 36か月(3年)
LTV = 1,000×0.8×36 = $28,800
1顧客あたり平均で $28,800 の利益を生むことがわかります。
CAC(Customer Acquisition Cost:顧客獲得コスト)との比較
LTV/CAC > 3
が健全とされます(顧客獲得に投じたコストを3倍以上回収できる)。
LTV = ARPA×粗利率×平均契約期間は、B2Bで多く使用されますが、B2Cの場合
LTV = 月額料金 × 粗利率 × (1 / 月間解約率)
がよく使われます。
B2Cではユーザー数が多いため、個別契約期間を追跡するより、解約率(Churn Rate) を使って「平均契約期間」を近似します。
月間課金や短期解約が多いビジネス(音楽配信、動画配信、モバイルアプリなど:Netflix、Spotify、通信キャリア)でよく使われます。 -
カスタマーサクセスのライフサイクルとLTVの関係
-
Onboarding
初期解約防止。 -
Adoption
利用定着(解約率低下)。 -
Retention
契約期間の延長(更新・継続)。 -
Expansion
ARPA向上(Upsell/Cross-sell)。
LTV = ARPA×粗利率×平均契約期間
で考えると、Retentionまでは、平均契約期間を伸ばすことに注力し、ExpansionでARPA向上(Upsell/Cross-sell)を目指します。
粗利率に関しては、継続的にサービスの機能を改善、追加することで上げることができます。 -
Onboarding
価値を届ける活動(Operation)
価値を届ける活動(Operation)は、製品価値を具現する製品(物財、役務)を作り、届ける活動で、活動領域でいうと主に営業活動(商流、金流、物流)になりますが、業種・業態によっては設備管理活動も含みます。
製造業の場合、材料・部品の購買→製品の生産→製品の販売(受注)という一連の活動の流れになり、
サービス業の場合、サービスの販売(契約)→サービスの提供という活動の流れになります。
例えば、販売(セールス)活動の中身を更に詳細化すると次の図のようになります。
インサイドセールスとフィールドセールスの違いについては次のようになります。
- インサイドセール
場所
社内(電話・メール・オンライン会議など非対面)で活動。
役割
主に「新規顧客の開拓」や「見込み顧客(リード)の育成(ナーチャリング)」を担当。
マーケティングで獲得したリードに接触し、興味関心や課題感を確認。
将来的に受注の可能性が高い顧客をフィールドセールスへ渡す。
特徴
一度に多くの顧客と接点を持てる(効率重視)。
営業コストが比較的低い。
顧客情報や行動データをCRMなどに蓄積して活用しやすい。 - フィールドセールス
場所
顧客先に訪問するなど、直接対面で活動。
役割
「商談の最終フェーズ(クロージング)」を担うことが多い。
顧客の具体的な要望をヒアリングし、提案・契約まで進める。
大口顧客や複雑なソリューション(B2B)に強い
特徴
顧客との信頼関係を構築しやすい(関係性重視)
1件あたりの時間・コストは大きいが、高単価・大型契約に向いている
価値を創る活動(Creation)、価値を伝える活動(Communication)、価値を届ける活動(Operation)を時系列に組み立てると、バリューチェーンの主要活動の流れは次のようになります。
製造業の場合
サービス業の場合