楽水

人々の創造が自由に表現できる舞台づくり

DX ビジネス

【実践!DX】実践的ビジネスマネジメント

投稿日:

ここでは、エンタープライズアーキテクチャ(EA)戦略マップエンタープライズリスクマネジメント(ERM)を考慮した実践的なビジネスマネジメントについて次の観点で説明します。

事業ライフサイクル

次の図は、ビジネスのライフサイクルを表しています。

マネジメントサイクルは次の3つの期間から構成されます。

  • 事業ライフサイクル
    事業の生存期間です。
    事業ライフサイクルを通して目指すべき事業パーパスが設定されます。
  • 戦略サイクル
    事業パーパスを具体化したビジョンを設定し、それを実現するための戦略を策定、実現するサイクルです。
    戦略サイクルは次のフェーズから構成されます。

    1. 設計
      ビジネスの本質的な型(ビジネスモデル)を設計するとともに、事業戦略の本質である戦略マップを策定し、戦略目標に対するERMの設計(事象の識別、リスク対応、統制活動の設計)するフェーズです。

      事業が開始されるときは、事業パーパスを設定します。
    2. 戦略
      事業パーパスを具体化したビジョンを設定し、それを実現するための事業戦略を、戦略マップを具体化することで、策定します。
      事業戦略は、BSCとアクションプランに展開されます。
      その際、BSCの目標値に対するリスクの許容度を設定し、リスクを評価します。
    3. 構築
      戦略フェーズのアクションプランに基づいて、ビジネスシステムを構築します。
    4. 運用
      構築されたビジネスシステムを運用します。
  • マネジメントサイクル
    戦略期間の運用フェーズの期間で、会計報告をするサイクルになります。

ビジネスの構造

「変化に強いビジネスを創る」

では、縦軸に構成要素(目的・資産・場所・機能・活動)、横軸にレイヤ構造でビジネスの構造を表したビジネスストラクチャマトリクスについて紹介しました。

ビジネスのレイヤである型(ビジネスモデル)、戦略(事業戦略)、実例(ビジネスシステム)は、上記戦略期間の設計フェーズ、戦略フェーズ、構築フェーズでつくられます。
そして、ビジネスシステムは、運用フェーズで運用されます。
このビジネスの構造ですが、EA(エンタープライズ・アーキテクチャ)との関係でいうと、情報資産である、データの部分がデータアーキテクチャ、アプリケーション(APP)の部分がアプリケーションアーキテクチャ、ITの部分がテクノロジーアーキテクチャになり、残りの部分がビジネスアーキテクチャ(Business Architecture)になります。
それから、特定の基準でビジネス(事業)の範囲を規定した概念を事業領域(事業ドメイン)といいます。
事業領域は、複数の事業領域を含む複合構造になります。
ここでは、事業領域(事業ドメイン)を型とし、それに対する種類を事業単位(ビジネスユニット)、実例をビジネスシステムと呼ぶことにします。

ビジネスマネジメントのフレームワーク

上記マネジメントサイクルと、ビジネスの構造に基づいたビジネスマネジメントは、次のように遂行されます。

  1. 設計フェーズ
    設計フェーズの内容は、DXプロセスの方向づけフェーズの「ビジネスモデルの設計」を踏襲します。

    • ビジネスの型(ビジネスモデル)の設計
      これは、概念レベルのEAになります。
      例えば、ジョブ、ビジネスプロセス(業務フロー)、アプリケーションタイプ、概念データモデルがあります。
    • 戦略マップの策定
      事業成長モデルを作成し、戦略マップに展開します。
      詳細は「ビジネスモデルの設計方法」を参照してください。
    • ERMの設計
      ERMのフレームワークに従って、戦略マップの目標に対するリスクを洗い出し(事象の識別)、それに対する対応を考え、統制活動をビジネスプロセスに組み込みます。
  2. 戦略フェーズ
    設計フェーズの内容は、DXプロセスの方向づけフェーズの「事業戦略の策定」を踏襲します。

    • 事業戦略の策定
      これは、論理レベルのEAになります。
      例えば、部門、アクションプラン、アプリケーションカテゴリ、論理データモデルがあります。
    • BSCの設定
      事業戦略をBSCに展開します。
      BSCは、一般的な予算体型でいうと資本予算に対応します。

      出所:泉文堂「財務管理」
    • リスク許容度の設定
      BSCの事業目標に対するリスク許容度を設定します。
    • リスクの評価
      BSCの事業目標に対するリスクの発生可能性と影響度を設定します。
    • 実験アクションプランの策定
      事業目標を実現するための実験アクションプランを策定します。
      統制活動がアクションプランに反映されます。
      検証アクションで毎回統制活動の結果をモニタリングします。
  3. 構築フェーズ
    物理レベルのEAを設計し、実装します。
    物理レベルのEAには、ワークフロー、アプリケーションコンポーネント、物理データモデルがあります・
  4. 運用フェーズ
    会計期間の事業計画を策定し、実践アクションプランを実行します。
    事業計画は、一般的な予算体型でいうと経常予算になります。

    出所:泉文堂「財務管理」
    実践アクションプランには、統制活動がアクションプランに反映されます。
    検証アクションで毎回統制活動の結果をモニタリングします。

-DX, ビジネス

執筆者: