楽水

人々の創造が自由に表現できる舞台づくり

データ

マスタデータの一元化

投稿日:


取引先マスタデータが部門・支店・システムごとに分散していると、データの重複や不整合が発生し、全社で正確な取引先情報を共有・活用することが困難になる。
その結果、誤請求などによる顧客の信頼失墜、営業機会の損失、業務コストの増加、与信管理やコンプライアンス上のリスク増大など、企業の収益性・生産性・信頼性に悪影響を及ぼす。
したがって、取引先マスタデータの一元化は、単なるデータ管理の効率化ではなく、企業の収益性向上、業務品質向上、経営リスク低減を実現するための重要な経営基盤の整備である。
サマリ

経営リスク 内容 主な影響
収益機会の損失 顧客や取引先の全社情報を活用できない 売上減少、利益率低下、調達コスト増加
業務品質・生産性の低下 データの重複・不整合・分散によって業務の正確性と効率が低下する 誤請求、顧客満足度低下、業務コスト増加
経営リスクの増大 与信・契約・コンプライアンス・取引先リスクを全社で統制できない 貸倒損失、法令違反、企業信用の失墜、経営判断の誤り

詳細は以下。

項目 一元化されていないことによって発生する問題 経営・業務上のリスク(悪影響)
与信管理の精度低下 部門・支店ごとに与信管理が分断され、同一法人に対する債権残高や受注残を全社で把握できない 与信限度額を超過した取引や貸倒れが発生し、損失を被るリスクが高くなる
営業機会の損失 他部門・支店における同一顧客の取引実績や商談情報を把握できない クロスセルや追加受注の機会を逃し、売上拡大の機会が失われる
顧客対応品質の低下 顧客の取引履歴・問い合わせ・契約情報が部門ごとに分散し、正確な情報を把握できない 誤った案内や対応の重複・遅延が発生し、顧客満足度や信頼が低下する
取引実績の把握漏れ 同一法人が複数の得意先として登録され、売上・受注実績が分散する 重要顧客の取引規模を過小評価し、営業戦略や経営判断を誤る
顧客別収益性の把握困難 同一法人に対する売上や工事原価を正確に集約できない 不採算顧客や不採算取引を見逃し、利益率が低下する
価格・取引条件の不整合 同一顧客に対する価格・支払条件などが部門・支店ごとに異なる 不利な取引条件での契約や顧客からの不信を招き、利益や顧客満足度が低下する
契約管理の不備 同一法人に対する基本契約・個別契約などの情報が分散する 契約期限切れや契約条件違反を見逃し、法的紛争や損害が発生する
コンプライアンス違反 反社チェック結果や取引停止情報が部門・支店間で共有されない 取引禁止先との取引が発生し、法令・社内規程違反や企業信用の失墜につながる
債権管理の精度低下 同一法人の請求先・債権情報が分散し、未収金や滞留債権を全社で把握できない 回収遅延や回収漏れが発生し、資金繰りの悪化や貸倒損失につながる
購買力の低下 同一仕入先・協力会社への発注実績が部門ごとに分散する 全社の発注量を活用した価格交渉ができず、調達コストが増加する
取引先リスクの見落とし 同一仕入先・協力会社への発注集中度や依存度を把握できない 取引先の倒産や供給停止によって工事の遅延・中断が発生する
データ品質の低下 同一法人の名称・住所・連絡先などが重複・不整合を起こし、古い情報が残る 誤請求・誤送付・誤発注などが発生し、顧客の信頼を失墜させる
業務効率の低下 同じ取引先情報を部門・支店ごとに登録・更新・確認する必要がある 重複作業や情報照合に時間を要し、人件費や業務コストが増加する
システム間連携の複雑化 システムごとに取引先IDが異なり、同一法人を特定するための名寄せや変換処理が必要になる データ連携の誤りや障害が発生し、システム開発・運用・保守コストが増加する
経営分析の精度低下 法人別・企業グループ別などの売上・利益・債権情報を正確に集約できない 誤った経営情報に基づく意思決定によって、収益機会の損失や経営リスクが増大する

-データ

執筆者:

関連記事

データマネジメント知識体系【DMBOK】とは

5Gが普及すると、ますます、IoTなどにより発生するビッグデータを、AIを活用してビジネスに活かすことが当たり前になってきます。 データは21世紀の石油と言われています。 「稼ぐ力を持つ資産としてのデ …

データアーキテクチャの設計方法

データアーキテクチャは、 どのデータを統合するのか どのデータを統制するのか どのデータ資産に投資をするか など、データマネジメントに関する意思決定を導く青写真です。 データマネジメントにおけるデータ …

トランザクションとは【ACID vs BASE】

ここでは、以下の観点で、データベース処理について解説します。 トランザクションとは ACID BASE CAP定理 トランザクションとは トランザクションは一般的には商取引を意味しますが、情報システム …

NoSQLとは何か、わかりやすく解説

少し前からビッグデータという言葉をよく聞きます。 モバイルデバイスが普及することによって、様々な種類のデータを簡単に送受信できるようになりました。 Twitterは1日あたり10テラバイトを超えるデー …

データ戦略

戦略マップの学習と成長の視点の情報資本のうちデータの情報資本目標がデータ戦略になります。 次の図は、データ戦略を設計するプロセスを示しています。 これは、データマネジメントモデルの設計プロセスを詳細に …