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学習し進化する組織【最強組織のつくり方】

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自律的に学ぶ強い組織というテーマはさまざまなところで議論されています。

ピーター・M・センゲ 「最強組織の法則」
競争相手より早く学べる能力、それが競争力を維持する唯一の鍵である。

最強組織の法則―新時代のチームワークとは何か

P.F.ドラッカー 「創造する経営者」
知識が事業である。
物やサービスは、企業がもつ知識と、顧客がもつ購買力の交換の媒体であるにすぎない。

ドラッカー名著集6 創造する経営者

エリック・リース 「リーンスタートアップ」
さまざまな仮説に基づいて複雑な計画を立てるのではなく、構築→計測→学習というフィードバックループをハンドルとして継続的に調整を行う。

リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす

今回は、組織を最強にする方法について興味がある方を対象に、

  • DXと組織の関係
  • 組織が最強とはどういうことか
  • 学習し進化する組織

という観点で説明します。

DXと組織の関係

まず、DXと組織の関係について見ていきましょう。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とはという記事で、
DXによって会社が目指すべき姿のアーキテクチャとして
まず、底辺にITプラットフォームがあり、
その上でに、ビジネスプラットフォームがあり
その上でに、さまざまなビジネスが展開される
構造の説明をしました。

ITプラットフォームは、
IT基盤、データ基盤、アプリケーション基盤
から構成されます。

これが、DXによって会社が目指すべき姿のイメージです。

さて、DXと組織の関係ですが、
DXによって会社が目指すべき姿のアーキテクチャの中の
ビジネスプラットフォーム
に関係します。

このビジネスアーキテクチャですが、

  • 社員の行動の動機となる価値観である経営理念があり、それが組織文化になっていること
  • どの領域でビジネスを行うか、どの機能・能力で差別化するかが事業ドメインやコアコンピタンスとして定義され共有されてること
  • 会社が向かうべき先がビジョンや事業ポートフォリオとして全員に共有されていること
  • 仮説検証サイクルを繰り返し新しいビジネスモデルを創出する仕組みになっていること
  • ビジネスモデルの発見や検証の生産性を上げる思考法や表記法が社員に浸透していること
  • という設計思想に基づいて設計されます。


この中で組織に関係するのは、
仮説検証サイクルを繰り返し新しいビジネスモデルを創出する仕組みになっていること
です。

組織が最強とはどういうことか

それでは、最強組織の、最強とはどういうことでしょうか。
見ていきましょう。
昨今の経営環境を観ると、AI、IoT、ブロックチェーンなど技術革新や、人もの金情報のボーダレス化など政治・経済・社会環境の変化の影響を受けて、先行き不透明で予測できない環境になっています。
これを、

  • Volatility(変動性)
  • Uncertainty(不確実性)
  • Complexity(複雑性)
  • Ambiguity(不透明性)

の頭文字をとって、VUCA(ブーカ)と言います。
このような状況下、加速する経営環境の変化、ビジネスとITの密接化によって、
ITを活用して経営環境の変化に迅速に適応(進化)できる能力が生き残るために欠かせない(事業継続性の)ファクターであり、競争優位となるファクターとなっています。

つまり、最強の組織とは、経営環境の変化に柔軟に適応できる(進化)できる組織のことです。
内外の変化に気づき、それを経営戦略に反映させると、経営戦略に合わせて業務とシステムの構造が迅速に変化できる組織のことです。

学習し進化する組織

この経営環境の変化に柔軟に適応できる(進化)できる組織、それが、学習し進化する組織です。
具体的に見ていきましょう。
これが学習し進化する組織のイメージです。

まず、活動が見える化されていることが前提です。
活動を見える化することで、社員全員が、何の目的で何をするか(貢献)、そのためのコストはどの程度必要か、を意識するようになり気づきが触発されます。
社員が作業しているとき、内外の変化に気づくと、それが全員に公開されます。
気づきは、定期的に仮説として検証されます。
その結果は、うまくいってもいかなくても組織ナレッジとして蓄積されます。
これが学習です。
その結果、業務が改革、改善され、サービス品質が向上し、新規事業が創出され、収益が向上し、最終的に企業価値を上げます。
これが進化です。
蓄積された組織ナレッジは、実践的な教育として全社員にフィードバックされ、社員の成長に結びつきます。
また、社員の気づきは透明かつ公平に評価されます。
これが、社員の貢献や成長による喜びに繋がり、組織全体の生産性を向上させます。

それでは、学習し成長する組織の特徴について見ていきましょう。
学習し成長する組織の特徴をまとめると以下のようになります。

  • すべては社員の気づきから始まる
    事業創出や業務改善の種は社員の気づきです。
  • 気づきを拾い仮説検証を通して組織ナレッジにするプロセスが重要
    気づきが収益性に結びつくか実験を通して検証します。
    「何をするか」だけでなく「何をしないか」も組織ナレッジになります。
    時代の変化に気づくよう組織ナレッジも評価し続けます。
  • 組織ナレッジを共有することで組織の成長を社員の成長に結びつける
    一般論の教育ではなく組織ナレッジが活かせる実践的な教育を展開します。
  • 社員の気づきや成長を透明かつ公平に評価する
    社員の気づきや評価を全員に見えるようにします(透過性)。
    評価は顧客や組織にどれだけ価値を提供したかを基準に、客観的な尺度で評価するようにします。
  • 社員全員が参加する
    一部のマネージャやコンサルタントが行う場合、一時的で限定的なものになります。
  • 社員個人の生産性ではなく組織全体の生産性を上げる
    個人のノウハウではなく組織ナレッジを蓄積することに注力し、属人化の弊害をなくします。
    組織ナレッジこそ、その会社の知的資産であり競争優位性の源泉になるからです。
  • 組織と社員の成長が連動するようにする
    貢献と成長(自己実現)による喜びにより社員の士気を高めます。

ジム・コリンズのビジョナリーカンパニーという著名な書籍があります。
ビジョナリー・カンパニー 時代を超える生存の原則

これは、私達が暮らす社会に消えることのない足跡を残した卓越した会社に共通する原理原則をまとめた本ですが、その中に、
大量のものを試して、うまくいったものを残す
という原則があります。
その一節に、
現場の気づきが会社を劇的に変える
という箇所があります。

現場の気づきが会社を劇的に変える
ビジョナリーカンパニーの社史を調べていったとき、各社でとくに成功した動きのうちいくつかが、綿密な戦略計画に基づくものではなく、実験、試行錯誤、臨機応変によるものであったり、文字通り、偶然の結果であったりするのに、私たちは驚かされた。

以上、今回は、学習し進化する組織について解説しました。

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